砂糖の害
疲労を感じた時に、甘いお菓子を食べて、元気になった経験はありませんか?
なぜ甘いお菓子は、そんなに早く私たちの体を元気にしてくれるのでしょうか?
それは「砂糖は、体内に吸収されるスピードが速い」からです。
砂糖を使ったお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。一時的に疲れが取れたように感じますが、体はそれに対処するために急いでインスリンを放出し、血糖値を下げようとします。インスリンを大量に分泌した結果、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまい低血糖となるのです。急に下がりすぎた血糖を正常値まで引き上げるために、アドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは分解されるとアドレノクロムという覚醒剤に似た有害物質となり、これが頭痛を引き起したり、「キレやすい脳」にしてしまうのです。
また、砂糖は体液を酸性に傾けます。それを中和しようとして、体の中でカルシウムをはじめとするミネラルを奪います。しかし砂糖を日常的に摂っていると、体の組織や細胞に貯えられたカルシウムでは足りずに、骨や歯を溶かしてカルシウムを補い、体のバランスを保とうとします。その時、カルシウムの流出で結石ができやすくなる恐れもあります。こうして、砂糖を体内から排出させようとして、私たちの体は確実に破壊されていくのです。
また、砂糖は消費するときに、ビタミンB群が必要となります。これが砂糖は別名「ビタミン泥棒」と言われている所以です。イライラやストレスなどで、もともと不足しているビタミンB群を更に消費してしまうのです。砂糖の過剰摂取は私たちの体の大切な栄養素を消費してしまうのです。また、砂糖には「習慣性」と「増加欲求性」があります。「習慣性」というのは、砂糖を含んだ物を食べると、次から次へと甘い物が欲しくなることです。「増加欲求性」というのは、甘さに慣れてくると、更に甘みの強い物が欲しくなることです。
では、一日にどの位の摂取を目標にしたら良いでしょうか。
ナチュラルクリニック代々木では嗜好品の砂糖の摂取量は1日6グラムを基準としています。
例えば、おやつにチョコレートを1/2枚食べてしまったら、4日間(4日×6g=24g)は嗜好品の摂取を控えるように努めたり、ビタミンやミネラルの摂取をいつもより多く摂るように心掛けるなど、調整をする気持ちが大切です。
また普段の料理でも白砂糖ではなく、メープルシロップやハチミツ、オリゴ糖、黒砂糖、てんさい糖など、自然に近い調味料を利用しましょう。
「甘い物を食べたい」という気持ちと、私たちの身体の細胞が「食べたいもの」とは違うということ…細胞が喜ぶ食生活を心掛けることが、健康を維持し病気を遠ざける秘訣となるでしょう。